TPOって?

 今回は、いつもよりちょっと難しめのエントリだ。たまには、いいかも。

 今日は、同じ会社のDeafと集まっての飲み会。そこで出てきた話題の1つが、TPOだ。これは、Time, Place, Occasionの頭文字を集めたモノで、時と場所と場合を考えて行動するという意味だ。Deafは、これが苦手な事が多く、大事な場面でなかなかスムーズにコミュニケーションできないことが多い。コミュニケーションをするには、背景や状況などをおさえて、キーとなる情報を持っていることが重要なんだけど、これがスムーズにできるのは、なかなか難しい。

 これまで、色々考えた中で、一番しっくりと来るのは、日本は、ハイコンテキスト社会であるため、Deafにとって、コミュニケーションしづらい・働きづらい社会なのではないかという考えだ。これは、コミュニケーションの不得手な聴者にも同じ事が当てはまると思った。

 以下のエントリが大変参考になると思う。

2005-08-25

 ハイコンテクストについては、以下のように説明されている。

 ハイコンテクストとかローコンテクストとかいう時の、コミュニケーションにおける「コンテクスト」とはどのようなものを指しているのか。先の「コミュニケーション学 その展望と視点」(ISBN:775400312)からもう一度借りれば、

「できごとを取り巻く情報であり、そのできごとの意味と密接に結びついているものである」

ということであり、加えて「静的な文化のコンテクスト」と「動的な状況のコンテクスト」の2つがあると同書ではまとめている。どうやら「空気」について考えるには、この辺りをもう少し掘り下げる必要がありそうである。具体的には、図2のように、コミュニケーションコンテクストは、時間の長さや空間の広さの違いによる多層構造を持っているもの、と考えられる。

 また、これが、白黒をはっきりさせることを好まない曖昧な社会を形成していることにつながっているのではないかと思う。このため、「静的な文化のコンテクスト」と「動的な状況のコンテクスト」をおさえる高度なコミュニケーション能力が求められている。これは、断片的な情報の固まりだけでは、得ることができず、一聞(一見)無意味な情報の連鎖の中に隠されている事が多いように感じている。この細かな情報を得ることは、現在の聴能教育や、口話教育では、とうていマスターすることは出来ないと考えている。社会へ出て行って、聴者との付き合いの中で覚えていくしかないかなと考えている。なかなか難しい課題である。