マズローの欲求段階説とキリスト教

 マズロー欲求段階説は、有名であり、ご存知の方も多いかと思う。この欲求段階説とは、人間の欲求は5つの階層に分かれていて、階層的に高まっていくという説だそうだ。

(5)自己実現の欲求
(4)承認の欲求
(3)所属と愛情の欲求
(2)安全欲求
(1)生理的欲求

 最近は、(3)所属と愛情の欲求と(4)承認の欲求をすっとばして、(5)の自己実現の欲求に目が行ってしまっている人が多いように思う。そのような中で、失望とストレスから色々な精神病が多くなってきているように思う。本来ならば、まず1→2→3→4→5のように進んでいくのが、自然だと思うが、先進国では、1と2は満たされているという恵まれた境遇にいるがゆえに、(3)所属と愛情の欲求と(4)承認の欲求の欲求を満たす事を忘れているように思う。多くの人が、愛情に飢え、彷徨いつつ、自己実現の道を探しているように思う。1〜5は、三角形になっており、下へ行けば、行くほど、基本的欲求であり、満たす事が大変重要であるが、近頃は、1と2と5が大きく、3と4が小さいくびれた形になっていて、バランスが壊れているように思う。

 1〜3は、物質的なもので、3〜5は、精神的なものであり、3以上は、哲学や宗教によるところが、大きいと思う。キリスト教で言えば、(1)は、神様の恵みにより、食べ物(パン)を頂き、(2)は、信仰により、平安が与えられ、(3)は、御言葉を通して、神の愛を知り、また、教会に属し、メンバ同士で祈りあい、支えあう形で、満たされる。そして、(4)は、祈りを通して、神と交わり、御心を知ることによって、主に受け入れられている事を強く知り、(5)は、信仰によって御心をなし遂げることによって、使命を果たすことによって、満たされると思う。このようにして、キリスト教では、マズローの欲求階層説は全て満たす事ができると思った。