パレスチナのろう者

 9/23に横浜のかながわ県民センターでパレスチナ子どものキャンペーンのボランティアでアトファルナろう学校へ行って来た横浜ろう学校の先生の糟谷幸美先生の講演があった。内容は以下の通り。

 アトファルナろう学校は、人口約120万人のガザ市の市街地にある。市街地は山手線の内側とほぼ同様の広さとなっている。
ろう学校では、手話を第一言語として教育を行っているそうだ。大変好ましい事であると思った。
ろう学校の雰囲気をビデオで放映していたが、手話を使って、明るくノビノビと会話していたのが大変印象に残った。アメリカのギャローデット大学の様に手話がアチコチ飛び交っていた。手話は、ASLとパレスチナ手話の2つが使われているそうだ。パレスチナ手話は地方によって異なる手話が使われていたらしいが、2年ぐらい前に統一されたそうです。日本のようなろう協会のような集まりがないので、なかなか統一されなかったのであろう。

 イスラエル軍によって、多くの人が殺され、多くの人が嘆いている。
また、夜になると機関銃のような音が、毎日、”ダダダダダダダダ”と聞こえるそうで、(ビデオでもその音がしていた。余りいい音ではない。警告のために掃射しているらしい。)ガザ地区の人々は、慢性睡眠不足だそうで、ひどい人となるとオネショや夢遊病になったりするそうな。かなり辛い状況であるにも関わらず、多くの人が強く生きているのが大変印象に残った。講演で強調していたのが、人口の半分以上が子供であり、子供たちの笑顔が大人たちを勇気付け、明るくしているのだそうだ。だから、子供たちを支援しているのだそうだ。なぜ、子供をまず支援しているのか、理由が良く分かった。

 テロリストが悪いのではなくて、テロリストに"殺さなければならない対象”を植え付ける人が悪いのだという話が印象に残った。ごくわずかの人のエゴによって、多くの罪の無い人が殺されるのは、大変悲しい話であると思った。シオニズムという言葉をはじめて知ったが、これを支援するのは、アメリカだそうな。このため、イスラエル軍は、圧倒的な兵力を持って、パレスチナを迫害しているそうだ。

 イスラエル人の全ての人がこの事実を知っているわけではなく、イスラエル軍自爆テロを防ぐために、色々と守ってくれているとしか思っていないそうな。イスラエル軍が、撃ったのに自爆しましたと、イスラエル新聞には載るらしい。余りにも日常茶飯事のことなので、各国のマスコミは取り上げようとしないらしい。視聴率を考えると、儲けにならないのも理由であるらしい。マスコミが前から事実を歪曲しているという事は、経験から知っていたが、このような重大な問題をきちんと報道しないのには、憤りを覚える。ジャーナリストの土井さんは、マスコミも利用する事が重要だとおっしゃっていた。確かに、広報する手段を考えたら、マスコミは重要だが、インターネットの力を利用して何とかできないものだろうかと考えている。

 講演には出てきていなかったが、イスラエル側にも言い分があることを追記しておく。一部の活動家による自爆テロは実在しており、イスラエルにとっては、非常に脅威となっていることは、事実であり、そのために、イスラエル軍が武器を取って人を殺さなければならないようである。ただ、罪の無い一般の市民も巻き添えになるのは、何とも胸が痛い話である。