ダイビングガイドについて

 私は、10年ほど前に海の魅力に虜になって、毎週のように伊豆へ通って、SSIのDC(Diving Control Specialist)という資格を取得した。いわゆるアシスタントインストラクターで、インストラクターの指導の元で、講習を開いたり、ガイドしたりすることができる資格だ。

 ファンダイビングというのは、海の中を安全にかつ楽しくお散歩することを楽しむレジャーなのだが、その陰では様々なリスクを考慮したマネージメントが必要になってくる。また、お客さんとの接客を通して、お客さんが楽しい時間を過ごせるようサービスをすることが必要になってくる。それなりに、大変だが、個人的には大変やりがいのある仕事だと思っている。

 その一方で、仕事柄、マネジメントには興味を持っていたが、次のエントリの様にダイビングと結びつけて考えたことが無かったので、大変興味深かった。

A herald from a sunday:ダイビング・ガイドにナレッジ・マネジメントを学ぶ

 ダイビングガイドなんていう職業を選ぶっていう人は、海が好きで、やっぱり人と話をしたりするのが好きな人が多い。その中で、魅力的なガイドって言われる人たちは、水中でも陸上でも、とても上手にゲストのケアをする人たちだと感じる。そして、多分彼らは陸上もとても大事だってことを本能的に知ってるんだと思う。

 そういうことを、たとえば後輩や同僚に伝えることを考えてみる。ビジネス的に分析的に考えると、「陸上のサービスも大事にしましょう」ってことになる。あまり面白くない、でしょう?

 そこで考えるのは、分析的なやり方には抜け落ちる情報がたくさんあるってこと。ビジネスライクに「陸上のサービスも。。」とやると、ホテルのサービスみたいになっちゃう。でも、ダイバーが魅力的だと感じるのは、そのガイドさんたちの「海が好き」な気持ちだったりするから、そこの部分が抜け落ちると、お客さんに伝わらない物があるんだと思う。
 Between the linesをどう伝えるか。それは、どんな仕事にも共通して存在する課題かもしれない。

 実をいうと、ダイビングサービスにおいて、分析というのは、これまで意識したことは無かったのですが、(そこまで、経験が至っていないということもありますが)プロフェッショナルなサービスを目指すなら自然と必要になってくるのではないでしょうか。私なりに言葉で表現してみると、フレームワーク的な分析でマニュアル通りのデジタルなサービスを作り上げることと共に、そのお客さんのニーズに合わせたアナログなサービスを併せて提供できる技術も必要だなと思いました。

 アナログなサービスっていうのは、人間としての魅力というところが大きいと思うんです。ダイビングっていうのは見方を変えれば、命がけのスポーツであり、命を預ける人として信頼できるかどうかというところが大きいと思います。逆に言えば、一緒に潜ることで、そのお客さんが、どのような性格でどういう人間なのかある程度わかったりします。人間ってのは、大自然を前にするとどうしても本能的になってしまう弱さがあり、それと上手につきあっていく技術が必要になってくるというところが、大きいなと思っています。

 アナログ面ばかり考えていた私にとって、デジタル面としての見方は新鮮に感じました。